都市の再活性化
土地ぜんぶが坪一億円の値になる。つまり一億円から五千万円、あるいは二千五百万円を引いた差額がわれわれの利益、こういうことなんです」なるほど。こう考えるなら、地価の上昇がなくても地上げは成立する。きれいにいえば、細分化された土地を広い一つの土地にまとめあげることで土地の利用度を高め、都市の再活性化を図る、ともなろう。で、I氏はまたなんで地上げ屋になったのか。「あのね、地上げなんて言葉はもともと隠語だったわけ。地上げしてがっぽりカネを懐にする。それで何するかといえば、まだ若いから女ですよ。どっと色街に繰り出す。それで商売地上げ、女は水揚げと。そこからきた言葉です」さすがである。言葉の一つひとつにキャリアを感じさせる。以下、このI氏の半生を見ることで地上げ屋とは何か、どのようなものか、を探ることにしよう。「地上げ屋I氏の場合」ということである。これまでの人生で三度、地獄を見た、とI氏は言う。一度目と二度目の地獄はおいおい語ってもらうことにして、地上げに関連する三度目の地獄のそもそもから入らせていただく。